その結果、図1のとおりであり、平成五年の調査と比較した場合、第三航路における通航隻数は約五割増と著しい。
また、各航路ともコンテナ船等の一般船舶の通航隻数が約三割減少し、工事作業船や作業員を輸送する交通船などの小型船の通航が活発化している。
2、海難の発生状況
神戸港内で発生した要救助海難に遭遇した船舶の隻数を過去三年間見てみると表1のとおり平成五年が八隻、六年が六隻、七年が二二隻と七年は五年の二・八倍、六年の三・七倍となっている。
七年の特徴としては、阪神・淡路大震災に何らかの関連を持つと思われる要救助海難の隻数が一二隻と半数以上を占めていることがあげられる。これをさらに見てみると、震災直後の支援物資輸送中に発生したものが三隻、震災により流失した漂流コンテナに衝突したものが一隻、神戸港の復旧工事に従事している作業船、ひき船等によるものが八隻となっている。
また、神戸港内において発生した要救助海難による乗船者の死傷者数は、五年がゼロ、六年が負傷者一、七年が死亡一負傷九となっている。七年の死傷者は三件の衝突海難により発生しており、そのうちの二件は神戸港の復旧工事に伴うものであった。
この二件の衝突海難のうち一件は、六月二十二日に発生したもので、震災による瓦礫を兵庫第一突堤からポートアイランド向け輸送中の砂利連搬船がポートアイランド沖で操業中の底びき網漁船と衝突し、転覆した当該漁船から海中に投げ出された同船の船長が死亡したものである。
安全確保への取り組み
神戸市および第三港湾建設局では、一日も早い港湾機能の回復を図りたいとして、おおむね二年間で震災前の状況に復旧することにしているが、これに要する工事費は約一兆円で従来の工事費の二十年分に相当すると言われている。
平成七年十二月末現在、神戸港内で行われている工事作業は、約百四十カ所に及び、そのほとんどが平成八年三月まで継続して行われる。さらに現在仮復旧している岸壁も来年度には本格的な復旧工
<表1> 神戸港内における用途別の海難発生状況(隻) 平成7年12月31日現在
